どうしても我慢できなくてですね、なんと言うか、そう言う時ってありますでしょ。季節とかタイミングとか、今じゃないよなって。
これを逃したら二度と手にする機会なんてないぞ! …と、言うほど貴重でもないし、もっとあったかくなってからでもいいんじゃないかと、そうするべきだと、頭では分かっていてもですね、そう言う時って、あるんですよね。うん。
….つまり買ったんですよリドレイの苗を関東で一番冷え込むと言われている2月に沖縄から。
で、実際無事に届くのかどうかと言う話でして、購入してからの一部始終をまとめておくことにしました。条件は時々で千差万別ですので、参考までに。
2月に沖縄からリドレイを買った。@関東
こちらがそのリドレイです。クレステッドのTC※1。胞子葉がうにょ〜んと長細く伸びるタイプです。
で、届いたのがこちら。

んー。
無事ではあるけど元気ではない。そんな感じ。そりゃぁそうだよね。今朝も寒かったし。成長点は元気そうだけど、胞子葉には張りがない。そして水苔と鉢のまぁ冷たいこと。
箱を開けた時に冷気がふわっと舞い上がってくるくらいには冷たくなっていたので、最低15度マストのリドレイにとってはちょっと厳しい環境だったに違いありません。上の写真は、急いでぬるま湯につけたので湿っています。
※1:TC(Tissue Culture)
組織培養と言う意味。メリクロンとも。組織培養によって生産された苗であることを明記する際に品種名の後に記載されることが多いです。株分け、実生と並ぶ、植物の代表的な増殖方法。親と全く同じ遺伝子を引き継いだ個体を得るためには、株分け、葉挿しや挿し木、取り木、根伏せ、そしてメリクロンあたりがあるでしょうか。それぞれ、できるものとできないもの、効率やコストなど、いろいろな理由によって選択されますが、ビカクシダ では挿し木系の増やし方で成功事例は見かけません。
メリクロンは弱いと言う話を聞きますが、具体的にどのくらいどうと言うのは、わかりません。無菌培養のため菌に対する抵抗力の違いでしょうか…? 増殖方法にこだわりのない方は、TC、あるいはメリクロンと記載されているもを探すと有名な品種をお手頃価格で植物をゲットすることができます。
また、子株ができず挿し木もできない植物から全く同じ形質の個体を得るためには、TCに頼るしかなさそうです。リドレイは基本的に子株ができないので、そう言う意味でリドレイのTCには、価格以外の意味もあるように思っています。具体的にどういう方法で行われているのか私も知らないですが、一般家庭では難しそうな予感。
応急処置
ぬるま湯につけた後少し暖房の効いた部屋においていましたが、水苔の表面を触ってみると、あっという間に冷たくなってしまっていたので、バケツの中にカイロを入れて、ふわっとラップであっためてみます。本当は、サーモスタットとヒーターマットにプラケースがベストなんですが、ちょうど手元にない状態だったので、応急処置。
熱くなりすぎないように、ラップには隙間を空けておき、まめに様子を見ます。
回復。。。?
写真でどこまで伝わるかわからないですが、左側の胞子葉は張りが戻って来ました。重力に逆らえるくらいにシャキッと感が戻っています。水をやって張りが戻るということは、根が機能しているということなので、致命的なダメージはなかった様ですね。
が、もう片方は痛みが多かった様で、完全には伸びなさそうですね。依然だらんと力が抜けた様になっています。まあ、成長点が無事で元気な葉が1枚以上あれば、ひとまずは大丈夫でしょう。
一ヶ月後。
なるべく水を切らさない様に、暖かいところで管理を続けた結果、一ヶ月で貯水葉が開いてきました。
胞子葉は、新しいのが出てくるところまではまだ行っていないですが、ピンと張って、元気そうです。ここまでくれば一安心ですかね。軌道に乗った感じ。
その後。。。
その後、無事に成長しまして、5月には貯水葉2枚が出てきました。クレステッドらしく、細長ーい胞子葉も出始めています。
無事成長してくれて何より。
まとめ。
やっぱり、リドレイを真冬に購入するのはリスクがありますね。
リドレイに限らずビカクシダ 全般、熱帯植物全般がそうだと思いますが、植物自体の耐寒気温を大きく下回る時期に購入する場合は、それ相応の覚悟と準備、そして対処できる自信がある場合に限った方が良さそうです。万全を期すなら関東でも3月か4月くらいまではまったほうがいいでしょうかね。
まあ、何事も経験しないとわからないですし、その時々で全く同じ状況というのはありえないので、物は試しで寒い時期に買ってみるのも悪くはないと思います。ですが輸送のダメージはあると思ったほうがいいでしょう。
ひとまず、今回のクレステッドは大丈夫そうなので、成長した姿を載せられるように頑張ります。
ではー。