野菜を育てている方には年中行事の一つとして馴染みの深い『 対ヨトウムシ戦 』ですが、今年はその戦いに終止符を打つべく(といっても毎年出てくるんですけどね。)今までの経験を総動員して迎え撃ちます。徹底交戦です。本気です。マジと読みます。
なんたってあいつら挨拶すらありませんでしたからね非常識極まりないです。出てくるんだったら頭下げて菓子折りくらいもってこいと思いませんか。
ちなみに今日(2020.05.20)時点での被害状況ですが、甚大です。
おとといくらいからちらほら、食害痕と糞が見られるようになったので、今年も来たかぁと思っていたら2日ほどで急速に被害が広がりました。


今の所、主にバジルの鉢に集中していますが、万願寺とうがらしにも疑わしい歯型がついているので、すぐにでも打って出ないと間に合いません。
ということで、今年の作戦です。
作戦!
作戦1:捕
1つ目の作戦。捕殺。
なんだかんだ言ってもまずは捕殺。
捕っても捕ってもと言いながら、結局今年も捕ります。
出ちゃった以上、どのみち夜のパトロールは欠かせないと思います。それにちょっと面倒なだけで、割り箸と紙コップと懐中電灯、それに捕まえる勇気があればできますし、幸い私は全て持ち合わせていますので。
作戦2:罠
罠を仕掛けます。
去年やってみて割と成績が良かったので採用。知力で戦います。
圧倒的な脳みその量の違いを見せつけてやりましょう。
夜盗虫の幼虫は米ぬかが大好物なので、好物を使っておびき寄せてまとめて仕留める作戦です。
- 紙コップに生の米ぬかを入れる。
- 株元に埋める。
- かかるのを待つ
こうしておくと、夜米ぬかを食べるために紙コップに入って、お腹いっぱいになった夜盗虫がそのまま紙コップの中に潜り込んでおねんねするので、朝のんびり起きてから紙コップごと始末すればOK。
欠点は雨に弱い事ですね。
紙コップに水がたまるとワシャワシャになってわけわかんなくなりますので、雨の予報が出たら撤去します。
基本的に毎日交換するんですけどね。怠るとエサやって太らせてるだけになっちゃいますから。
米ぬかはご近所のお米やさんや自動精米器からいただけるようであればタダです。
ぼかし作りにも使うし精米したてのお米がやっぱりおいしいよねということであれば精米器を買ってしまうというのも手かも。(私が欲しいだけです。)
どうやらメルカリでも米ぬかを出品されている方がいるようです。買うんだったらメルカリがお得かも。
作戦3:毒
え、毒?くすり?って思いましたでしょ。
そうですよ薬です。
今年はもう、思い切って薬に頼ることにしました。
いつもはできるだけ農薬は使いたくないなぁと思いながら、夜中に割り箸と紙コップと懐中電灯を持って庭に出て、1匹ずつ捕まえていたんですが、捕っても捕ってもなんですよね。きりがないんです本当に。
ただ、やっぱり収穫までの使用回数が決まっていたり、使い方によって薬害が出たり、益虫や池のめだかさんにまで(めだか飼ってるんです)影響が出るものは避けたいなぁと、思うわけです。
狙った虫にだけ効く薬が欲しいなぁと、どこかに転がってないかなぁと、思うわけです。
でもそんな都合のいい薬ないよね。と、うなだれながら探していたら、ありました。
《 住友化学園芸 STゼンターリ顆粒水和剤 》
BT剤と言って、BT菌がつくる殺虫生タンパク質を利用した殺虫剤で、これが何なのかという事をうろ覚えの浅い知識でざっっっくり説明すると、以下のような薬です。
- 人畜に無害
- 抵抗性がつきにくい
- アルカリ性の消化液で溶解されることで殺虫効果を発揮する(人間の胃酸は酸性)
- 有機栽培に使える。
- 収穫までの使用回数に制限がない。
つまり、人間に無害で食害する害虫のみに効果を発揮し抵抗性がつかない!
さらにオーガニック栽培にも使えて何度でも使える!(人間に害がないので)
すごいお薬ということです。
植物の表面についた薬を一緒に食べて消化することで効果を発揮するものなので、吸汁性の害虫(ハダニとか)には効かないようです。その代わり、受粉を助けてくれる益虫にもほぼ無害なようです。とはいえ、使いすぎは避けたいですね。
BT剤については、こちらのページ様がより詳しく説明してくださっています。
http://www.greenjapan.co.jp/qa_bt.htm
菌の力を借りているので、気分的に抵抗のある方もいらっしゃるかも。そこはそれぞれの判断でいいと思います。捕殺&罠でもそれなりの戦力があります。が、しかし、
今回のテーマは
「 徹・底・交・戦 」
容赦も妥協も致しません。
さて、この3つの作戦でどの程度夜盗虫に対抗できるでしょうか。
話によると、作戦3のBT剤の威力が凄まじいということなので、もしかしたらこっちだけでもいけるのかもしれません。
それでは行きましょう。
開戦!
【2020.05.20】交戦1日目。:捕殺
《 PM 09 : 00 》
作戦1にて1匹捕獲
バジルの隣のシソの葉っぱの裏にいました。
隠れたって無駄なのだ。

今日は1匹しか見つけられなかった。
…まさか1匹であの量食べたんじゃないだろうな。
もっといるはず。
【2020.05.21】交戦2日目:ゼンターリ攻撃
物資が届きました。

左のが作戦3で使う薬、STゼンターリ顆粒水和剤です。
右のは散布用に私が愛用しているダイヤスプレーです。薬ごとに用意して専用にしています。
家庭用に程よい500mlの容量と、一回のストロークで比較的長い噴射ができること、そして長いノズルの先が少し上に向いているので葉裏に噴霧しやすいところが気に入っています。おすすめ。
木酢液なんか希釈してこれに入れて常備しておくと便利ですよ。油粕の水溶液の葉面散布とかにも使えます。

ヨトウムシと、しっかり書いてあります。よしよし。

収穫前日まで、何度でも使える、とも書いてありますね。
バジルとか、葉っぱを食べる野菜には特にポイント高いです。

中身です。計量スプーンが入っているのは嬉しいですね。非常にわかりやすい。

1Lにすりきり2杯で1000倍になるようなので、500mlのダイヤスプレーには半分のすりきり1杯です。

想像してた色と違う。茶色いんですね。
匂いはなんか、漢方薬みたいです。葛根湯みたいな。…ちがうかな~。危険な匂いではないです。
アゲハにも効くようなので、予防的に柑橘にもまいてみちゃいました。
肝心のバジルやシソ、万願寺とうがらしにも、一通り葉の裏表に散布しましたが、今日はこれから雨のよう。明日もう一度まきなおしたほうがいいかな。

雨だと夜盗虫の活動も鈍くなるので、今日は出てこないかもしれません。
《 PM 09 : 50 》
案の定、雨の中では夜盗虫は出てきませんでした。
が、その代わりというか、なんというか、万願寺とうがらし食害の真犯人を発見
まさかのナメクジ。
「ナメクジ、お前もか。」
ゼンターリはナメクジには効かないようで、美味しそうにむしゃむしゃしておりましたので、割り箸で挟んでポイしておきました。

【2020.05.24】交戦3日目:ゼンターリ恐るべし。
雨の後ゼンターリをもう一度散布して、2~3日家を留守にしていました。
天気も良かったようなので、留守中に薬が流れ落ちてしまうということはないでしょうが、それでも居ない間に食べつくされていないかとか、不安はありました。
が、帰宅後確認すると、食害は一切広がっていません。
そして、葉の裏や土の上には、ヨトウムシの死骸がちらほら。
計5匹確認しました!
ひとまず駆除できたのではないでしょうか。
効果絶大です。
- 死骸の写真を載せようかとも思ったのですが、ちょっと…なんというか。
一度使っていただければお分りいただけるのですが、なんか半分溶けたみたいな、ちょっとイヤ~な死に方をするんですね。しばらく迷って写真を撮らずに引き上げました。
そういうの気にしないよという方は、効果的には申し分ないというか、完璧というか、パーフェクトです。驚きの効果です。ただ、死に方が。ちょっとだけ衝撃的なので、それだけ覚悟してください。
・そういうの全然気にしない。
・もう気にしてる余裕がない。
・心を鬼にする覚悟がある。
・私は鬼だ。という方は、迷わずゼンターリ1択でいいと思います。恐ろしく効きます。
なんか、こんなにあっさり決着がつくと思っていなかったので、ちょっと拍子抜けですが、まだ作戦2の罠を仕掛けていませんでしたので、念のために仕掛けてみました。
レッツ!残党狩り!(だんだん自分が悪者に思えてきた。)
用意するのは米ぬかと紙コップ。
小さい鉢には普通の紙コップだと大きすぎるので、小さいものも用意しました。
ダイソーとかで売ってます。
その中に、生の米ぬかを入れます。8分目っていうんでしょうか。
入りやすく抜け出しにくい、満腹になったヨトウムシが「あ~もういいや~この中で寝ちゃおぉ~」と思えそうな程よい深さで入れます。

できたら、それを株元に埋めます。


入りやすそうな感じで、紙コップの縁を土の高さと揃えます。ヨトウムシの立場に立って仕掛けましょう。時代はバリアフリーです。
以上です!
この状態で朝を待ちます。
【2020.05.25】交戦4日目:そして誰もいなくなった(圧勝)
一夜明けて、残党狩りの結果発表!
。。。。0匹。
なんと。
や、たぶんね、罠が悪い訳ではないんだと思うんです。
薬がね、ゼンターリが効きすぎちゃったんですよねきっと。
そもそも狩るべき残党がいなかったようです。
ヨトウムシがいれば、この罠にはかなりの確率でかかりますので、最終チェックに使うのもアリかなと思いました。いないとわかれば安心しますし。
(本当は効果をお見せしたかったのですが、また次の機会に。。。)
なんか、良かったんだかなんなんだか。
ひとまず、圧勝です。
秋口にもヨトウムシのピークはやってくるので、その時に被害が出たら、次は罠から仕掛けて効果を検証したいと思います。
尻すぼみな感じですみません。
ひとまず、以上!