「TSUKUYOMI LED」ってどうなの?「AMATERAS」の後継機をレビュー。違いを比較検証する。

  • 2021年9月25日
  • 2021年10月15日
  • 資材
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インドアグリーン界で近年幅を利かせまくっているアマテラス。今や育成灯といえばアマテラスというほど、必ず候補に上がってくる植物用LEDの人気者。そんな彼女に、なんといつの間にやら 弟さんが生まれていたようです。

その名も
TSUKUYOMI  LED

成る程。天照大神の次は月読命ですか。

しかし、このネーミング、正直わかりにくいですよね。と、思いません? 私はちょっと考え込んでしまいました。アマテラスとは用途の異なる製品なのだろうかと。だって、植物に求めるのは太陽の光じゃないですか。月明かりが欲しくて育成灯買う人あんまりいないじゃないですか。 …なんか、なんでしょう、どうもしっくりこないんですが、一応コンセプトとしてはアマテラスと同じ、「高演色+大光量」の植物育成LEDのようなので、何がどう変わったのか比較してみようと思います。

後半では照度や光の色味についても比べています。

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TSUKUYOMIAMTERASの比較

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スペックの比較

まず公式のスペックから比べていきましょう。

異なるのは以下5点でしょうか。


  • ボディーカラー :【ツクヨミ】ホワイト      【アマテラス】ブラック
  • 色温度     :【ツクヨミ】4000K ~5000K   【アマテラス】5900
  • 照度      :【ツクヨミ】21690lux       【アマテラス】18050lux
  • PPFD                 :【ツクヨミ】406μmol m-2 s-1    【アマテラス】507μmol m-2 s-1
  • 定格寿命    :【ツクヨミ】20000時間        【アマテラス】30000時間

 

ツクヨミの方がかなり暖色系に振っていることがわかります。4000〜5000Kと、表記にかなり幅がありますが、LEDの特性上ばらつきがあると外箱に記載されていました。
そして光量が増した分定格寿命が10000時間少なくなっていますね。不思議なことに、電気代は変わらないようです。

 

PPFDとは
光合成有効光量子束密度
光合成に必要とされる400700nmの波長に含まれる単位時間、単位面積あたりの光子数のこと。植物育成においては、光強度の目安として使われる。

(引用:ウシオ電気株式会社https://www.ushio.co.jp/jp/technology/glossary/glossary_ka/photosynthetic_photon_flux_density.html)
つまり、光合成に使える光の強さという意味ですね。(赤外線は除外されているようです。)
演色評価指数とは
演色性とも。正午の太陽光を基準として、Ra100が太陽光と同等の見え方、数字が少なくなるにつれて正しい色の判別が難しくなる。業務用の色評価用蛍光灯ではRa99というものもありますが、LEDでRa97はかなりの高演色と言えると思います。

 

TSUKUYOMI
AMATERAS
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外箱

外箱です。ツクヨミはマットな感じの質感で、上品さがアップしてます。アマテラスはツルッツルの箱でした。

 

サイズはどちらも同じです。明け方も同じ、上にスポンと抜く感じであける仕組み。

TSUKUYOMI

 

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キャッチコピー

大して重要じゃないですが、一応。
アマテラスのキャッチコピーが「その光は、太陽と同格であること」だったのに対して、ツクヨミは「その光、月明かりの如く」になっています。

AMATERAS
TSUKUYOMI

…本当に月明かりの如き光だったら植物育たんだろうと思いますが、仕様を見る限り、完全に太陽光目指してますので大丈夫だと思います。

 

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本体の確認

本体のサイズも、同じなようです。並べてみても、重ねてみても、特に違いはありません。違うのは色だけですね。

 

口径もぴったり同じです。

 

発光する部分も、見た目上は特に違いなさそうです、リフレクターのテクスチャも同じですね。

 

ちなみに、今回私が買ったTAUKUYOMIは限定版だったらしく(買ったらたたまたま限定版でした。)限定版にはリフレクターが2種類入っているのだそうです。どのくらい出荷されたものなのかはわかりません。

限定版に付属する拡散リフレクター

 

通常のリフレクターは「中拡散リフレクター」という名前らしく、特別版付属の「拡散リフレクター」の方には、エンボスがなくつるっとしたものになっています。

左が限定版付属のリフレクター。

どのような拡散の仕方になるのかは、この後検証してみます。

明るさと色味の比較

さて!

一番重要な、光の比較に入りましょう!

始める前に、比較の前提条件ですが

壁からライトの先端までの距離を40cmに統一
照度計はアマゾンで買った安物なので、細かい数値の信憑性は微妙。明るいくらいの単純な比較には使えるが、あくまで目安。
撮影は、カメラ:SONY α7Ⅲ ホワイトバランス:太陽光モード、絞り:F5.0、シャッタースピード:1/250、 ISO:200、で固定

という条件で比較していきます。色や光の広がり方など、なるべくわかりやすいようにフルマニュアル&設定固定で撮影していますが、実際に目で見たときの印象とは確実に異なりますので、参考程度と思ってご覧下さい。

色味

まず色味の比較です。左がアマテラス、右がツクヨミです。両方とも標準で付属している中拡散リフレクター(エンボスつきのリフレクター)を装着しています。

目視での印象は、これよりもっともっと眩しいくらいの光量ですが、それでも色の差は歴然です。なんか、アマテラスの方が月っぽい色に思えてならぬのは私だけなのだらうか。ツクヨミの方が太陽っぽいよなぁ。。

明るさの比較

次に、同じく中拡散リフレクターを装着した状態で、アマテラスとツクヨミの明るさの違いを見ていきます。ちなみに、両方つけてみて目視での印象は、予想より明るさ変わらないかな、という感じ。ツクヨミが特別明るいという感じはしませんでした。

 

【アマテラス】

まずアマテラスです。

一番明るい中心の最大値を測ったところ、34550lux(見えにくいですが、右下に×10の表示が出ています。)以前別の記事中で測った時も、公式の数値よりかなり高めにでたので、個体差なのか、照度計の問題なのか、ちょっと謎です。が、何度測りなおしてもこのくらいの数値なので、そのまま掲載します。一貫して全て同じ照度計を使用していますので、前提条件をご了承いただき相対的な数値の比較と思ってください。

AMATERAS/中心での測定値
AMATERAS/ 中心から外れた部分での測定値

中心はものすごく明るいんですが、ちょっと中心から外れると、急激に照度が低下します。(こちらは×10の表示が消えているので3915luxです)

 

【ツクヨミ】

続いてツクヨミです。

TSUKUYOMI/ 中心での測定値

…あれ?アマテラスよりちょっと低いですね。何度も言いますが、測定方法や環境など、公式のものとかなり解離があるので、あまり鵜呑みにしないでいただきたい気持ちはありますが、相対的な比較という意味では、ちょっとがっかり?ですかね。もしかしたら、この照度計が色温度の影響を受けやすいという可能性もあります。本当はちゃんとした照度計で図りたかったんですが、高いんですよね〜(涙)

でも、同じ設定で撮った写真でもあまり明るさの違いでませんでしたし、実際目視でもそれほど違い感じなかったので、大差ないのかもしれません。

TSUKUYOMI/ 中心から外れた部分での測定値

中心から離れると急激に照度が落ちるのは同じです。


あと、リフレクターによる違いですが、実際取り替えてみたところ、以下のような感じになりました。

左から、リフレクターなし、中拡散リフレクター、拡散リフレクター(限定版)

 

ん〜。なんかモヤモヤする。中拡散の方が拡散よりも拡散してるように見えませんか?ま、この辺は使い方でしょうね。

まとめ

私は捻くれ者なので、月と言ったり太陽と言ったりという、コンセプトぶれぶれな感じがどうにも解せないんですが、物としてはとてもよいと思います。これはもう、あまり深いことを考えないで、

ツクヨミ=「ボディーが白い暖色系のアマテラス」

だと思って使えば、期待外れということはありません。

 

しかし、わざわざ買い換えるほどの進化があったかというと、そうでもないかなというのが正直なところ。ネーミングもなんか、AMATERAS 2とか、AMATERAS warm tone とかでよかったんじゃないだろうかという、そんな印象。ちょいちょい突っ込みどころがある感じが否めないですが、製品としてはとても良いと思います。

つまり何が言いたいかというと、これは完全にアマテラスの色違い(ボディー、光色とも)であって、それ以外の何者でもありません。ネーミングから別ラインの製品なのかという誤解を招きかねない気がしますが、完全に同軸のコンセプトで作られた製品だと思います。

全くもって「月明かり」ではないですが育成灯としての性能は申し分ないです。

公式ページには、赤系の波長を強くしたことによる光合成への効果など書いてあって、確かにと納得できる部分もありましたので、長く使ったらその効果を実感するかもしれませんが、ひとまずはボディーと光の色の好みで選べばいいような気がしています。

定格寿命の短さがやや気になってはいますが、インテリア上の好みから私は今後ツクヨミで揃えようかなと思っています。(ちょいちょい文句言ってたくせに。)


しかし、次どうするんでしょうね。アマテラス ツクヨミ ときたら、流れ的にスサノオしかない気がしますが、残念ながらスサノオさんは光との関連が一切ないので、流石に厳しいですかね。笑

とにかく、そんな感じで、なんだかんだTSUKUYOMIはいいライトでしたよ、というお話でした。

では。

 

育成灯を使うときは、タイマーもあったほうが便利です。

ソケットはシェードのあるものだとつっかえて取り付けられないことがあったり、熱がこもるので気をつけて下さい。

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