熱帯植物にはまると何かと困る、温度と湿度のコントロール。今回は、60cm水槽を使って、植物に必須の暖房、冷房、加湿の3要素を自動でコントロールする温室の作り方をまとめます。
種まきの方法、みなさんどうしてますか。家庭菜園では直播きが一般的でしょうか。 今回は、ゴーヤやナス、トマトなど発芽適温の高い種をまだ寒い時期に発芽させたい場合や、湿度を保って安定して発芽させたい場合に私がよくやっている方法をお伝えします。[…]
用意するもの
- 水槽
- 育成ライト
- プログラムタイマー
- サーモスタット
- 爬虫類用ヒーターマット
- ペルチェ素子
- パンチングメッシュ
- 正角バット60cm
【湿度コントロール用オプション】
- 湿度コントローラー
- 加湿器
- ホース
- ホース着脱コネクタ
水槽温室の作り方
水槽、育成ライトを用意する。
まずは、水槽を用意しましよう。これがないと始まりません。
水槽は、観賞魚用の普通の水槽で大丈夫です。ガラスでもアクリルでも。ひとまず60cmが無難かなと思いますが、すでに植物が大量にあってとても収まりきらないぞ!という場合は90cmやそれ以上のサイズでもいいと思います。お好みで選んでください。
室内で植物を育てるのに、育成灯は欠かせません。一昔前までは蛍光灯タイプか、アクアリウムならメタルハライドとかが一般的でしたが、時代は変りました。いまやLED全盛です。蛍光灯使ってるなんて言ったら鼻で笑われそうです。 (↓私は、ばりばり[…]
ヒーターと加湿用バットの設置
水槽本体が用意できたら、ヒーターを設置していきます。
ヒーターは爬虫類用のヒーターマット「ピタリ適温プラス」を使用します。
適当な底上げ用の台になるものをおいて(底上げできれば植木鉢の受け皿でもなんでもいいですよ。)その上に100均で買ってきたスチールラックの側面に付ける用の網をカットしたものその上に敷きます。
そしてピタリ適温プラスを乗っけたら、そのまた上に角バット。10インチの正角バットを2つ並べると60cm水槽にぴったりです。バットの上に、パンチングメッシュを水槽の内側のサイズより少し小さく切ったものを敷きましょう。
パンチングメッシュは、アクリル製だと加工しやすいですが、ステンレスとかでもOKです。自分で切るのが大変な場合は、工房併設のホームセンターや東急ハンズなどで頼むと、有料でカットしてくれます。
ヒーターのコードは、水槽のわきから外に出しておかないといけないので、その分の隙間も確保しておく必要があります。鉢を入れてみると分かりますが、実際水槽の端ギリギリまで底板が必要になることはまずありませんので、ちょっと小さすぎるかなくらいのサイズにしておくほうが、入れやすいです。
はい。できましたでしょうか。ここまでは、何も考えずにどんどん重ねていきます。重ねるだけですね。
ピタリ適温プラス注意事項!(使用方法をよくご検討ください。)
実はこのピタリ適温プラス、防水ではありません。水に濡れっぱなしの状態が続くと、結構すぐに破損して使えなくなってしまいます。ラップを巻いたりもしてみましたが、ラップの隙間から毛細管現象で染み込んだきり乾かなくなってしまって、ダメでした。
(塩ビ、ヒーター、塩ビというサンドイッチ構造になっているのですが、その塩ビと塩ビの間に水が染み込んで、ヒーターが濡れるとそこで断線するようです。)
なので、本来は水槽の下(内側の底ではなく下)に敷くためのもので、製品の注意書きにもしっかりと書いてあります。ですが、私は熱効率を少しでも高めるために、リスク覚悟で水槽の内側に設置しているのです。水槽の内側には、バットを敷いていても、結露や水やり時のしぶきなどによって底に水が溜まるので、その水でヒーターが故障するリスクを少しでも低減するために底上げをしています。この方法を使う方は、自己責任でお願いします。
尚、バットの水の中に水中ヒーターを仕込むという方法もありますが、こちらは万が一バットないの水が蒸発しきってしまった場合安全装置が作動しヒューズが飛んで使えなくなる仕組みになっているため、私は使用していませんが、こっちの方が安全な気もします。どちらにしても、ヒーターは消耗品ですね。
ヒーターマットは濡れないようにする、もしくは濡れてもすぐに乾くような方法を考える必要がありそうです。
水濡れOKのヒーターマットもありますが、こちらの方がやや温まりが遅いような気がしました。こちらも完全防水ではないですが、直接ポットを置いて水やり可と、商品説明に記載があります(2021年3月現在)
蓋とクーラーの設置
夏場に温度の上がり過ぎを防ぐために、クーラーも設置します。
アマゾンで組み立て済みのペルチェ素子冷却ユニットが販売されているので、こちらを使います。
そのままでは電源に繋げないので、ACアダプターを用意します。


サーモスタットの設置
サーモスタットにピタリ適温プラスとペルチェをつなぎます。
「HEATING」の方にヒーターを、「COOLING」の方にクーラーをつなぎます。
サーモスタットの使い方については、↓の記事で使用しているものと同じ製品を使用しますので、こちらもご覧くださいませ。
種まきの方法、みなさんどうしてますか。家庭菜園では直播きが一般的でしょうか。 今回は、ゴーヤやナス、トマトなど発芽適温の高い種をまだ寒い時期に発芽させたい場合や、湿度を保って安定して発芽させたい場合に私がよくやっている方法をお伝えします。[…]
育成灯を設置!
最後に、育成灯を水槽の上にドカンと乗せたら完成!(説明端折った感。。。)
設定時刻で自動オンオフできるように、コンセントの間にプログラムタイマーを噛ませておきます。
オプション! 湿度までコントロールしたいあなたへ
うっすらお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、この水槽温室、温度管理の徹底ぶりに比べて湿度のコントロールがかなりアバウトです。なぜなら、ヒーターで加温された水が蒸発するときに湿度が上がるだけなので。数値でコントロールできていないのです。実際今まで使ってきてそれほど困ったことはないので大丈夫だとは思うんですが、湿度までしっかりコントロールしたい!という方は、以下の手順で加湿器をつなぐと完璧です。
用意するものは以下の5点!



完成!
以上が水槽温室の作り方です。
ここまで出来て仕舞えば、あとはお好みの数値を設定して大好きな植物を愛でるだけ。バットや加湿器への水の補給さえ定期的にしておけば、基本ほったらかしで環境の維持は行ってくれます。衣装ケース栽培からのステップアップに、ぜひお試しくださいませ。参考になりましたら幸いです。
ではー