ナスの着果に救世主!トマトトーンの効果や如何に。毒性や使い方とその効果。

ナスの栽培に苦手意識が芽生え始めた今日この頃。なぜって、実がならないんですもの。
いや、なるのはなるんですよ。なるんですけど、一番花が落ちるのは当たり前、やっとの思いで一個目が膨らみ始めるのが8月も中旬を過ぎた頃。

日当たりが悪いのも原因の一つではありますが、このままじゃいくらなんでもダメだろうと、ナス果着果の救世主、トマトトーンに頼ってみます。

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トマトトーンとは。

効果絶大という話はよく聞くけど、そもそもトマトトーンとは何者なのだ。安全なのか?

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用途と主な成分

このページを見にこられたという事は、トマトトーンの効果については知ってらっしゃる方が多いのではないかと思いますが、これは、トマトやナスを始め、メロン、ズッキーニなどの実付きをよくするために花に吹きかける薬剤です。これを吹きかける事によって、受粉しなくても受粉したのと同じように果実が肥大する、そのスイッチを入れる植物ホルモンが含まれているものです。

有効成分:パラクロロフエノキシ酢酸・・・0.15%
性状:透明液体
毒性:普通物

ふむ。
主な成分は、パラクロロフエノキシ酢酸。これは、雌しべに花粉が着いた時に出る植物ホルモンと同等のもので、果実肥大のスイッチを入れるものなので、基本的に毒性は高くないようです。


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毒性

そうはいっても気になるのが 毒性:普通物 という表記。

普通って言われたって、何を持って普通なんだという話ですが、これは、平たく言うと毒劇物に当たらない薬品ですよという事です。ひとまずトマトトーンは毒物でも劇物でもないぞ、という事のようです。殺虫剤でもないですしね。

しかし、有効成分として記載されているパラクロロフエノキシ酢酸ですが、これには1日摂取許容量というものが決められています。
これはなんだか危険な香りがしてきました。よ。

 

パラクロロフエノキシ酢酸の1日摂取許容量
0.022mg / kg 体重 / 日

 

…多いのか少ないのかわからん。スラッシュ多いし。
この1日摂取許容量というのがなんなのか調べてみると、

食品に用いられたある特定の物質について、生涯にわたり毎日摂取し続けても影響が出ないと考えられる一日あたりの量を、体重1kgあたりで示した値(Wikipedhia)

だそうです。
ふむ、「1日に摂取していい量」ではなく、「生涯にわたり摂取し続けても影響が出ない1日当たりの量」

つまり、

 

体重50kgとして、
0.022mg×50kg=1.1mg
毎日1mgの パラクロロフエノキシ酢酸 を一生舐め続けなければ大丈夫!

という事のようです!

毎日食べるならご飯にかけていいのは1日1mgまでですよ、という事です(違うか?)


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一応計算してみる

一応、ナスの花1つに対して、どのくらいのパラクロロフエノキシ酢酸が吹きかけられるのか、計算してみようと思います

ナスに使用する場合は50倍に希釈。それを花(雌しべ)めがけて一回噴霧というのが正しい使い方。

これをもとに、霧吹き一回分を1mlと仮定すると、霧吹き1プッシュ(50倍希釈液1ml)にトマトトーンが0.02ml含まれている事になります。
ですが、そもそもトマトトーンに含まれているパラクロロフエノキシ酢酸は0.15%ですので、

0.02ml×0.0015(0.15%)=0.0003ml

というのが、ナスの花1つに吹きかけるパラクロロフエノキシ酢酸のおおよその量です。


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結論!

パラクロロフエノキシ酢酸の重さを知りませんが、1ml≒1mgと仮定して….もしなくても、これは…なんというか、考え方によりますが、

1つの花に0.0003mlしか付着しないというのは、もはや0に等しいんじゃないでしょうか。

実際1プッシュで1mlも出ないでしょうし、その全てが雌しべにかかるわけでもありません。まして雌しべに着いたものが全て残留するかといったら、そんな事はないでしょう。食塩とかペットボトル飲料とかに含まれるマイクロプラスチックとかの方がよっぽど危険な気がします。(個人の意見です。)

という事で、今回はひとまず、

用法用量を守れば、食用には ほぼ無害!とおもう!

という事で進めます。

とはいえ、説明書をよく読み、薬品を散布する際の最低限の装備はしてから作業に臨みましょう。
①薬剤が眼などに入らないよう眼や体から離して取り扱ってください。
②本剤は眼に対して刺激性がありますので眼に入らないように注意してください。眼に入った場合には直ちに水洗し、眼科医の手当を受けてください。
③散布の際は農薬用マスクなどを着用してください。作業後は洗眼・うがいをしてください。
(引用:住友科学園芸公式HP https://www.sc-engei.co.jp/guide/detail/1424.html

使い方。

割と安全っぽいという事がわかったところで、実際に使ってみようと思います。

薬品の準備

こちら、トマトトーンです。1〜5mlまで計れる専用の計量カップも着いてきます。
中を開けると説明書が入っていますので、そこに記載してある通りに希釈していきます。
ナスには50倍を開花当日に。
トマトは気温によって違うんですね。
計算苦手でも、こうやって書いてくれるとわかりやすいです。ひとまずこの図の通りに。
水50mlと原液1mlを量って混ぜます。
多分、一度に作る量は多くても100ml程度だと思います。
花めがけてちょっとずつ吹きかける物なので、そんなに大量に使わないですし、花以外の部分にかからないようにという注意書きもあります。また、希釈した液は長期間の保管には向かないようなので(4週間は保管できると記載があります)、普段使っている500mlの霧吹きではなく、無印で小さいのを買ってきました
無印 小分けボトルスプレータイプ100ml 消費税込290円
作った希釈液を入れて。
わかりやすいように名前を書いておきます。お気に入りのDYMOでシールを作りました。

これで準備完了です!

散布

2020年8月21日。
ちょうど開花していたので、吹きかけてみました。モデルさんは、ゼブラナスのリスターダさん。美人です。
花の中心めがけて1プッシュ。
なんか、1プッシュだと着いたかどうか不安になりますが、着いたと信じて様子を見ます。散布後2~3日すると果梗が太くなり幼果のつやが増し、非常に発育が早くなる。らしいです。

同日17:00
なんと、早くも花が閉じています。いい予感。と思ったけど、翌朝見たらまた開いていたので、単に夕方だから閉じていただけみたいでした。
21日 17:00
22日 6:30

経過観察

散布から2日後、完全に花が閉じました。

その後数日、うまくいくとこんな感じで膨らんできます。

まとめ。

試してみたところ、どうやらトマトトーンを使ったからといって、必ず結実するわけではないようです。それまでの栽培方法やコンディションの方が影響は大きい印象。(そりゃそうか。)ですが、使う前よりは格段に膨らみ始める花の数が増えた気がします。治療薬というよりはサプリメントのようなイメージで使うのがよさそうです。
もちろん、使わなくても結実するように育てるとくのが目標ではありますが、もし失敗してしまったとか、調子が悪い、一番かだけは絶対に着果させたい!という場合には使ってみる価値のある者かなと思いました。
では!

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